facebookページはこちら!
「いいね」を押してね

底地辞典

更新請求権を放棄させられるか?

紛争の経緯

X:土地の貸主(所有権者)
Y:土地の借主(借地権者)

Yは昭和21年11月24日にXとの間で契約期間の定めのない借地契約(建物所有目的)を締結しました。翌年の昭和22年には、店舗兼居宅を建築し、自転車・オートバイの修理販売業の営業を開始しました。昭和39年に、本件賃貸借契約が期間30年であることを確認するとともに、期間満了を迎える昭和51年11月23日には土地を明け渡すことを約し、その補償として、昭和41年からの10年間は土地使用料を無償とすることとしました。これを証するために、「土地使用貸借書」を締結しました。昭和41年11月を迎え、XがYに対し、本件土地賃貸借契約が解除される旨通知したところ(つまり、使用貸借契約に切り替える)、Yは上記解約を承認できないとし、昭和51年11月23日まで土地賃貸借契約が継続するという主張をし、争いに発展しました。

紛争の経緯

 借地法の適用ある借地契約につき、借地権者があらかじめ更新請求権を放棄することが、借地法11条(借地権者に不利なものは無効)に該当せず無効でないというためには、更新請求腱の放棄が借地権者にとって不利益とならない特段の事情が存しなければならないとしました。そして、Yはそれまで当地で自転車等の修理販売業を営み、本件土地上に建物を所有して住居兼店舗として使用し地域に密着して営業をしてきており、Yの長男が将来営業を継ぐことを予定している以上Yの土地使用の必要性は高く、他方で、Xが本件土地を自宅への通路及び駐車場として利用することを望んでいても、本件土地を特に必要とする事情がある訳ではない以上、Yの更新請求権の放棄は、たとえ、更新請求権放棄の代償として10年間の賃料が免除されていても、それによっても補うことのできない著しい不利益を伴うものであって、借地法11条に該当し無効としました。
 つまり、普通賃貸借から使用貸借へ切り替え、使用貸借の期間満了ないし明渡しの合意に基づき、更新請求権を放棄させることは、借地法11条に反し、認められないという判決なのでした。