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底地辞典

更新料の不払による契約解除

紛争の経緯

X:土地の貸主(所有権者)
Y1、Y2:土地の借主(借地権者)

 XとY1は、昭和9年に賃貸借契約が開始し、昭和29年に合意更新がなされた(無断増改築禁止特約付)。この間、Y1はXの承諾を得ないまま増改築を行ったり、建物の所有権を無断でY2に譲渡したりするなど、Xに対する背信的行為が多数あった。そのようななか、Xは賃貸借の解消は考えずに、昭和49年の契約更新に先立ち、更新料支払の請求をあらかじめ通告し、その約半年後に更新料として借地権価格の1割相当の約180万円をY1に対して求めた。しかし、Y1がこれに応じなかったので、Xは調停を申し立て、前記背信的行為を不問に付することの解決料を含む100万円の更新料を支払う旨の調停が成立した。更新料は50万円ずつの分納であったが、Y1は2回目の更新料を支払わなかったため、Y1、Y2に対して建物収去土地明渡請求訴訟を提起した。

判決と考察

 本判決は、「更新料がいかなる性格のものであるか及びその不払が当該賃貸借契約の解除原因となりうるかどうかは、単にその更新料の支払がなくても法定更新がされたかどうかという事情のみならず、当該賃貸借成立後の当事者双方の事情、当該更新料の支払の合意が成立するに至った経緯その他諸般の事情を総合考量したうえ、具体的事実関係に即して判断」すべきところ、「本件更新料の支払は、賃料の支払と同様、更新後の本件賃貸借契約の重要な要素として組み込まれ、その賃貸借契約の当事者の信頼関係を維持する基盤をなしているものというべきであるから、その不払は、右基盤を失わせる著しい背信行為として本件賃貸借契約それ自体の解除原因となりうるものと解するのが相当である。」と判示しました。つまり、更新料支払いの合意締結に至る事情などの様々な事情から、更新料の支払いが賃料の支払いと同じ位重要な事柄であるといえるのであれば、その不払いが著しい背信行為となり、契約の解除原因となることがあり得ます。